シーリングを補填する「シーリング工事」で大切なのは、工事する場所と状態に合った最適な方法を選ぶことです。どういったポイントがあるのかをご紹介します。
外壁工事で使うのは「変成シリコン」
シーリング工事とは、気密性や防水性などを出すために、隙間をシーリング材で埋める作業のことです。
コーキングガンと呼ばれる専用の工具で、押し出すようにして充填していきます。外壁以外には窓のサッシ、風呂場の内装、配管まわりなどでも行います。
住宅関連のシーリング材には、シリコン系・変成シリコン系・ウレタン系・アクリル系の4種類があります。
「温度や湿度の変化が激しい場所の施工をする」、「金属と木材など異素材の間を繋ぐ」など工事の狙いに合わせて材料を選びます。
外壁工事で使うのは、密着がよいウレタン系と変成シリコン系です。変成とは「形が変わってでき上がること」という意味です。
「変成シリコン」は耐久性、耐候性、耐熱性がある、紫外線に強いことに加え、塗料を上から塗ることができるという特長があります。
塗料を上から塗れればシーリング材を保護できるため、ひび割れなどの経年劣化が起きるのを遅らせることができます。
施工方法は「打ち替え」と「打ち増し」の2つ
シーリング工事には、「打ち替え工事」と「打ち増し工事」があります。
外壁は常に外部の気候変化の影響を受けます。そうした環境下でもシーリング材の持ちをよくするために、シーリング材を充填する前には接着剤の役割を持つシーラーを塗布して密着度を高めます。
<打ち替え工事>
既存のシーリングをすべて取り除いた後に、新しいシーリングを充填する工事のことです。
サイディングボードの目地はシーリングの効果をしっかりと蘇らせる必要があるため、打
ち替えをします。
【手順】
① 目地の両側にカッターを入れて、古いシーリングを全て取り除き、目地の中のゴミ等を除く。
② シーリングがはみ出さないようにテープを貼り、接着剤であるプライマーを塗布。
③ 新たにシーリング材を充填。シーリングの効果が蘇る。
<打ち増し工事>
既存のシーリング材の上に、新たにシーリング材を足す工事のことです。既存のシーリング材を撤去する作業がない分、打ち替えよりも、コストを抑えることができます。古いシーリング撤去の必要がないサッシ周りでよく使われる工法です。
外壁工事おいては、シーリングの硬化やひび割れがひどくない場合に打ち増しを行います。
【手順】
① シーリング材を補填する場所の清掃を行う。
(元のシーリングは撤去しない)
② シーリングがはみ出さないようにテープを貼り、接着剤の役割を持つプライマーを塗布。
③ 古いシーリングの上から新たにシーリング材を補填する。
工事でシーリングの質を高めるには?
工事終了後から短期間での不具合をおこさないためには、やはり工事の質が重要です。次のことは工事の質に影響をします。
・シーリング材の状態
シーリング材は、開封後に長時間が経つと、硬化したり、硬化がうまくいかなくなったりと通常の使用ができなくなる場合があります。現場で直射日光が当たる場所に材料を放置しているような業者の場合、品質管理への意識が低いことが考えられます。
・工事に適さない日がある
塗布したシーリング材が十分に乾燥しないと性能低下に直結するため、雨や低温の日の工事は避けるべきです。しかし業者は、業務効率の面から「多少の悪天候でも工事を続けたい」と考えるかもしれません。可能であれば、はじめの打合せ時に、「雨の日や降ることが予想されている日は作業を延期し、工事日程がズレ込んでも構わない」という考えを伝えておくことをおすすめします。
シーリング工事では、「打ち増し工事か、打ち替え工事か」と「どのシーリング材を使うか」の見極めが重要で、選び方で工事費用も変わります。疑問に思ったことは業者に質問し、納得のいくシーリング工事をしてくださいね!