こんにちは。
ゴールデンウィークも明けて、すでに夏の日差しを感じるこの頃。
そこで今回は、紫外線や赤外線(日光)が塗料に与える影響についてをテーマにしてみました(^^)
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高機能な塗料①~紫外線や赤外線に強い塗料~
近年、機能性の高い塗料の人気は高まっていて、中でも検討する方が増えてきているのが
「紫外線」や「赤外線」をキーワードにしたものです。
紫外線と赤外線の影響を小さくすることで塗料の耐候性は上がり、変形や変色、劣化などの変質を起こしにくくすることができます。
今回は、紫外線や赤外線と塗料はどういった関係があるのかをお伝えしたいと思います。
「紫外線」「赤外線」って何?
太陽から届く太陽光は、《人間が光や色として感じられる可視光線》と《目には見えない不可視光線(赤外線と紫外線)》
からできていて、紫外線と赤外線は違い波長の長さとその性質に違いがあります。
【紫外線】・・・波長が短く、人間が当たると骨が強くなるといった良い性質がある一方で、日焼けを起こしてしまう。
【赤外線】・・・波長が長く、様々なものに吸収され、物体にあたると熱エネルギーに変化。
地球上で生き物や植物が生きているために欠かせない。
塗料にはどう関係する?
【紫外線】
塗料の顔料に含まれる《酸化チタン》という成分に紫外線が届くと、それまで結合していた化学物質が解離、
有機物を破壊する現象(ラジカル)が発生するため、塗料の主成分である樹脂が破壊されてしまいます。
これが塗膜の劣化の大きな原因になり、塗膜の表面の色褪せや黄変を引き起こしてしまったり、
チョーキング(外壁を触ると手に白い粉が付く現象)やひび割れといった現象ののち、塗料の剥がれにつながっていきます。
建物の南側は1年を通して太陽光がよく当たるため、南側だけ紫外線の影響で劣化がはやいというケースはよくあります。
【赤外線】
赤外線は吸収されやすく、物体にぶつかった際に熱を持つ性質を持っていますが、温まり方はその物体によって異なり、
人の体やプラスチック、ゴム、そして塗料は温まりやすい物体に分類されます。
塗膜が赤外線を吸収すると、樹脂が変質し黄変してしまうことがあったり、それ以上に感じやすい影響として問題になるのは
この熱が建物に伝わることで、建材の温度を高め、室温を上昇させてしまうことです。
救世主!塗料で紫外線や赤外線の影響を最小限に
紫外線や赤外線が塗料に与える影響は大きく、様々な問題を最小限にとどめるために作られた塗料があります。
【紫外線による劣化を防ぐ塗料】
紫外線が塗膜内で問題を引き起こす《ラジカル》を抑制する、【ラジカル抑制塗料(ラジカル塗料)】というものがあります。
【ラジカル抑制塗料】の多くは3つのしくみで紫外線劣化に対抗します。
1、 塗膜の成分、酸化チタンにバリアーをつくり、紫外線と反応させない
2、 ラジカルが発生してしまっても、バリアーで閉じ込める
3、 ラジカルを捕まえる働きのある添加剤を入れ、バリアーから漏れ出てしまったラジカルを捕まえる
ラジカル抑制塗料は樹脂の劣化を防ぐものですが、残念ながら万能ということはなく、効果を発揮できないこともあります。
ラジカルを防ぐためのバリアーをつくる酸化チタンは、ホワイト系やクリーム系の淡い色の塗料でしか使用されていないため、
酸化チタンをあまり含まない濃い色の塗料を選択した場合、耐候性を高めるには樹脂の種類の選び方が重要といえます。
【赤外線による熱を防ぐ塗料】
建物の中で最も太陽光の影響を受けるのは屋根です。
一般的な塗料では赤外線を反射する機能が小さいので、屋根の塗装には反射機能が高い【遮熱塗料】を選ぶのがおすすめです。
戸建て住宅のほとんどでは、断熱材を入れることで屋根からの熱を室内に伝わりにくくしていますが、
遮熱塗料は赤外線を反射性質を持つので、屋根が温まること自体を防ぎます。
何もしない真夏の昼間、屋根の表面温度は60℃、金属屋根だと70℃~90℃に達するともいわれ、塗料へのダメージも少なくありません。
遮熱塗料によって赤外線を反射することは、室温を管理するのはもちろん、塗料の耐候性を守るためにも欠かせません。
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いかがだったでしょう?
太陽光が住宅に与える影響については、やはり無視できないというのがご理解いただけたかと思います。
ブログの締めくくりとして最後に一つお伝えしたいのが、高機能塗料によって紫外線と赤外線の影響を小さくすることで塗料の耐候性は上がるのですが、
‘’どの外壁・屋根にも当てはまるわけではなく、環境や塗料の色によって大切にすべきことは変わる‘’
ということです。
高機能な塗料を使っての塗装を検討される際は、信頼できる業者と相談し、それぞれの建物に合ったオンリーワンの選択をしてください!